沖縄で用いる基本的な仏具は？仏具の配置方法や拝み方もご紹介

沖縄は日本にありながらも、中国などの影響を受けた独自の文化を形成しています。本州よりもご先祖様を神格化する傾向が強く、故人だけでなく先人を祀るのが一般的です。そのため、沖縄では日々の礼拝を行うためにも仏具が必要です。ここでは、沖縄で用いられる基本的な仏具や配置方法、日々の礼拝方法について詳しくご紹介していきます。

沖縄で使用される仏具とは？

仏具とは仏教の儀式や礼拝に用いられる、道具や器具の総称です。これらの道具は、仏像を安置したり仏典を読誦したり、供養を行ったりする際に使用されます。沖縄で用いられる仏具も、本州と基本的に同じです。では、目的ごとに用いられる仏具を解説します。

沖縄で礼拝の対象として用いられる仏具

沖縄で礼拝の対象として用いられる仏具はご本尊・脇仏・お位牌です。本州のように檀家制度はないため、独特の用い方になります。

ご本尊は通常、それぞれの宗派の礼拝対象となる仏です。しかし、沖縄には特定の宗派を持つ人は少ないため、干支の守り本尊を用いられる傾向があります。本来はご本尊を祀る場所に、お位牌が置かれていることもあります。

本州における脇仏は、それぞれの宗派の創始者や名高い僧侶などの像です。沖縄では健康を願って薬師如来を祀るなど、ご利益に合わせた像を自由に祀るのが一般的です。本来はご本尊の脇に、一体ずつ脇仏を配置します。

沖縄のお位牌は、トートーメーと呼ばれており、いくつかのタブーが問題となってきました。沖縄において、トートーメー（お位牌）は長男が引き継ぐこと、父系血族以外の血縁を混じらせないことなど、いくつかの習わしがあります。しかし、近年は、トートーメーを永大供養して、タブーのない唐位牌などを祀る家も増えています。

沖縄で日々の供養に用いられる基本的な仏具

沖縄で日々の供養に用いられる基本的な仏具は、三具足です。三具足とは花瓶・香炉・燭台を指します。本州の仏具においても基本とされており「仏陀の三大追悼式」と呼ばれています。それぞれの役割は以下のとおりです。

• 花瓶：花を供えるための仏具です。
• 香炉：線香を焚くための仏具です。礼拝する人の身を清める役割があります。
• 燭台：蠟燭を立てるための仏具です。仏様の智慧を表しています。

また、日々の礼拝には「おりん」が用いられることもあります。本州でおりんは基本的な仏具として用いられていますが、沖縄では必須の仏具ではありません。しかし、礼拝の合図として用いることが多く、運気を呼び込むとして好まれており基本の仏具として揃える家が増えています。

沖縄で供物に用いられる仏具

沖縄では、供物は御膳を揃えるのが一般的ではありますが、昔ながらの大きな仏壇でない場合、スペース的に置けないことがあります。そのため、スペースをとる仏具はお盆などの大きな行事の時だけ用いて、通常は本州式の仏具を用いる家が増えました。供物用の仏具は、仏飯器と茶碗です。

• 仏飯器：仏様に供えるご飯を入れる器です。沖縄式のものは、ウブク茶碗と呼ばれます。
• 茶碗：仏様に供えるお茶や水を入れる器です。沖縄では、おちょこが用いられることもあります。

沖縄の仏具の配置方法・拝み方

沖縄では、三段方式の大きい仏壇が用いられています。そのため、仏具の配置方法も本州とは異なることがあります。また、日々の礼拝方法も、独特の風習があるので覚えておく方が良いでしょう。

仏具の配置方法

沖縄で一般的な三段方式の仏壇では、次のような配置になります。

• 一段目：一段目は下段を指し、一対の燭台とその間に香炉を置くのが基本です。
• 二段目：二段目は中央段で、中央に水椀・酒椀を置き、その脇に一対の仏飯器、そしてその脇に一対の茶碗を置きます。
• 三段目：三段目は上段で、お位牌とその脇に一対の花瓶を置きます。

沖縄の日々の拝み方

沖縄では、ご先祖のために仏壇に礼拝するだけでなく、先人のために礼拝をすることが一般的です。台所を司る火の神を祀っている家庭では、家の女性が毎月1日と15日に仏壇に礼拝します。お茶と白い仏飯、お酒を供えて沖縄独特の線香である、ヒラウコーを拝し祈ります。また、1日と15日だけでなく、あらゆる行事ごとに火の神に礼拝するのが習わしです。

まとめ