沖縄では、お墓や仏壇には、日常的に供花を供えるのが一般的です。また、お盆などご先祖様を供養する特別な行事には、普段よりも豪華な花をお供えします。しかし、どのような花をお供えすればよいかわからない方もいらっしゃるでしょう。ここでは、仏壇やお墓に花を供える理由や、沖縄の花屋で購入すべきおすすめの供花をご紹介します。

仏壇やお墓に花を供える理由

仏壇やお墓に花を供える意味は、次の2つがあげられます。

仏の慈悲を得るため

ひとつは、仏の慈悲を得るためです。美しい花も、やがて枯れてしまうことは、仏教の「諸行無常」に通じるところがあります。そのため、諸行無常を象徴する花は仏の慈悲と捉えられており、花を供えることでその心を分かち合えるとされているのです。

ご先祖へ感謝を示すため

もうひとつの理由は、故人やご先祖様へ感謝を示すためです。花にはそれぞれ花言葉があり、自分の思いを花言葉にのせて、故人やご先祖様に伝えられます。また、仏様は香りを食すとされており、お線香の香りと同様に、花の香りも楽しまれると考えられています。

沖縄で供花を選ぶポイント

沖縄で仏壇にお供えする花は、花屋で仏花を注文すると見繕ってもらえます。しかし、旧盆など特別な行事では、故人の好きだった花を選びたいなどの希望もあるでしょう。花を選ぶポイントは、次の5つがあげられます。

本数は5本・7本・9本

供花を選ぶ際は、本数が奇数になるよう気をつける必要があります。沖縄は琉球時代から中国の影響を強く受けており、偶数は陰の数字と認識されているからです。割り切れる数字は、別れる・割れると認識され、避けられてきました。5本・7本・9本となるようにしましょう。

色は5色か6色

供花は、5色か6色が基本です。中国の五行説に関連するとされており、「木・火・土・金・水」の要素を含む色合いが良いとされています。六金色と呼ばれる色は、青・白・薄紅・黄・赤・5色の混合色の組み合わせで、五金色と呼ばれる色は、青・白・紫（黒）・黄・赤の組み合わせです。ただし、濃い色を選ぶのではなく、淡い色で整えるようにしましょう。

季節の花を選ぶ

仏壇にお供えする花は、季節の花を選ぶのがポイントです。ただし、夏は大ぶりの花が多く、季節の花で揃えるとまとまりがなくなるため、バランスを考えて選ぶ必要があります。

ひし形に整える

沖縄では、供花はひし形に整えるのが基本です。茎の長い花を中央に配し、そのほかの花が周りを囲むように配置すると、ひし形に整えられるでしょう。

長持ちする花を選ぶ

供花は、長持ちする花を選ぶのが基本です。とくに、旧盆は暑い季節に3日ほどお供えするため、枯れやすい花を避けるのが無難です。

沖縄の花屋で選ぶべきおすすめの供花

日常的な供花は、花屋で安く揃えられますが、特別な行事には、華やかなものを用意したいでしょう。沖縄の花屋で選ぶべきおすすめの供花は、次の5つがあげられます。

菊

菊は代表的な供花であり、長持ちするため暑い沖縄の気候にも適した花です。仏教では、邪気を払う花としても知られており、「ご冥福をお祈りします」という花言葉も供花にぴったりです。

トルコキキョウ

沖縄の旧盆は、慶事として認識されているため、トルコキキョウをお供えするのも良いでしょう。青や紫など落ち着いた色味で、花言葉も「あなたを想う」など供花に適しています。

リンドウ

リンドウは青紫色の落ち着いたカラーで、「あなたの悲しみに寄り添う」という花言葉を持ちます。供花としてのメッセージ性も強く、秋口の供花として選ばれることが多い花です。

ミソハギ

ミソハギはお盆の供花の代表で、ご先祖様についてきた無縁仏の喉を潤す花として知られています。また、禊を落とす花とも言われています。花言葉は慈愛や愛の哀しみなどで、供花にぴったりです。

カーネーション

カーネーションは母の日の花というイメージが強いものの、供花としても一般的に用いられています。赤のほかにも、紫やピンク、白などカラーバリエーションも豊富です。

送ってはいけない花

供花を選ぶ際、一般的にタブーと言われている花があります。具体的には、バラやアザミ、ヒガンバナやスイセンなどです。これらの花は、とげがあったり毒があったりすることからタブーと言われています。ただし、あくまで故人への弔いの気持ちが大切なので、親戚の方と連絡を取り合って選ぶことも大切です。

まとめ